みなさんこんにちは。快眠デザイン研究所の古泉です。
皆さんの会社では睡眠研修を行っていますか?
以前、「睡眠負債」というワードがトレンド入りしてから「睡眠は大切」だと考える企業は少しずつですが増えてきました。
では、なぜそれらの企業が睡眠改善を社内に取り入れようとしているのでしょうか?
今日は企業の健康経営への取り組みについて説明したいと思います。
「睡眠負債」というキーワード
睡眠負債という言葉は、2017年にユーキャンの流行語大賞に選ばれ、そこから睡眠負債や睡眠と言うキーワードが爆発的に広がるようになりました。
この「睡眠負債」と言う言葉を広め、日本中に睡眠の大切さを啓蒙し続けているのはスタンフォード大学の「西野精治」先生です。
元来、この睡眠負債という言葉はウィリアム・C・デメント教授から語られ、「睡眠不足は蓄積していき、そのうち体に重大な影響を及ぼす」とのことから、睡眠不足は借金のように返済できるものではなく、負債として残り続けるという意味で使われました。
企業が困っていること
企業の健康面を考えた時、まずは自社に体や心の健康に不安を感じる方がいるか。
それを経営者が認識しているかどうかが最も大切な部分です。
アクサ生命の調査によると
自社が経営する会社で身体と心の健康に問題を抱えている従業員がいるか?と尋ねたところなんと26.6%が「両方いる」という回答だったとのことでした。
さらにわからない(どちらもいない含む)と答えた会社も45%あったということです。
従業員が健康で豊かな生活を送ってほしいと企業は考えているのですが、実際には健康に何らかの支障があるという方も一定数いるということが明らかになったのです。
社員の健康が企業の発展にも繋がる
社員が働いてくれることで、会社は売上が上がり、利益が生み出されます。
しかし、出勤できない(アブセンティズム)方や出勤していても仕事に支障がある(プレゼンティズム)の問題も最近では起こってきています。
そこで数年前より経済産業省は「健康経営優良法人認定制度」を発表し、「会社全体で健康になることが企業に利益をもたらす」という考えの元、スタートしました。
当初は上場企業など大企業が多かったのですが、最近では中小企業が「健康経営」に取り組む事例も顕著に増えていきています。
健康経営として取り組むのは「睡眠」だけではない
私は睡眠の専門家として活動していますが、健康経営に取り組んでいる企業全てが睡眠だけにクローズアップして取り組んでいるわけではありません。
・禁煙推進
・ウォーキングデーの策定
・休肝日推進
・健康体操の取り入れ
・睡眠指導
・有給休暇の取得率向上
・自転車通勤の推奨
・ウェアラブル機器を用いた睡眠指導
・仮眠時間の導入
・睡眠日誌を活用した生活習慣の改善
睡眠研修に取り組む理由
快眠デザイン研究所では睡眠に特化した研修を行っていますが「なぜ睡眠研修に取り組もうと思ったのですか?」との質問に対して、「社員のモチベーションが低い」「生活習慣、特に睡眠習慣が乱れている社員が多い」「健康の根本は睡眠だから」など多くの答えが返ってきます。
なかには「眠っている時のことでわかりにくい分野なので、専門家にわかりやすく聞いてみたい」という答えもあります。
「他の研修も取り組んだけれど、いまいち効果が見えにくく、睡眠に取り組んでみようという話になった」もありました。
これらを考えた時、共通していることは「もはや一朝一夕の取り組みでは社員の変化が見えにくい」ということでしょうか。
一人当たりの研修費はいくら?
企業は社員に対して、どれぐらいの予算を研修費に当てているのでしょうか?
JMCという学研グループの調べでは、社員数1000人以上の規模では一人当たり約34,000円、300〜999人までの企業では約48,000円。
299人以下の企業では約41,000円となっています。
また、製造業では一人当たり平均約28,000円、非製造業では47,000円と非製造業の方が研修費用として多く見積もっているということになります。
健康経営への取り組みは企業の命題に
健康経営に取り組む企業が増えた背景には「働き方改革」もですが、現実問題として
・従業員の高齢化
・働き盛り世代の健康を脅かす生活習慣病
・メンタルヘルス不調者の増加
・人材費の増加や健康保険料の負担増
・企業イメージの低下
・労働災害や事故・不祥事の発生
・早期退職者の増加
健康経営に取り組もう
これまで述べてきたように、さまざまな要因から企業は従業員の健康に対して今後も気を配る必要があります。
大企業だからというわけではなく、中小企業も健康経営へ取り組むことでさまざまなメリットが考えられます。
まだ健康経営に取り組んでいないという企業は早めに考えてみてください。