会社で取り組む「仮眠の効果」とは?
・眠気の防止
・疲れが取れる
・作業効率がアップする
・ミスの防止
・事故の防止
体内時計をうまく活用する
人は良質な睡眠を取っていても起きてから8時間後に眠気が襲ってきます。これは体内時計と言われるもので、体の中のリズムがそうなっているのです。
この眠気が襲ってくる時間に仮眠を活用することで、気分をリフレッシュさせることができます。
6時に起床している人で午後2時前後くらいのタイミングです。このタイミングに合わせて仮眠を取るようにすると効果的です。
作業効率を上げるための「仮眠の工夫」
先ほどのアンケートの結果、仮眠を取るときの工夫として、
●「体を横にする」(19.9%)
●耳栓やヘッドフォンの使用(15.6%)
●枕の使用(14.6%)の回答を得ました。
体を横にする方法は、イメージとしては「布団に寝るような体勢」ではなく、車のシートを45度くらい倒すイメージで工夫をすると良いでしょう。
実際に寝る体勢にすると、深い睡眠に入りすぎることがあり、かえって寝起き時に頭がボーッとしたり、起きれなくなったりすることがあるので注意が必要です。
眠い時に仕事をすることほど、作業効率が低いのは経験上、誰にでもあることでしょう。
仮眠する場合でもひと工夫する事でさらに効果が見込まれます。
実際の仮眠の方法は?
仮眠に適した時間
夜の睡眠の場合には、人は浅い眠りと深い睡眠を繰り返しています。仮眠を取る場合は、できるだけ浅い睡眠にとどめておくことが大切です。
深い睡眠まで寝入ってしまうと、頭がボーッとしてしまったり、次の作業に取り掛かるまでに時間がかかってしまったりして、逆効果になってしまいます。
また、長時間の仮眠は「寝る→眠る」ことになってしまいます。
仮眠の目的は「作業効率をアップするためのもの」ですから、「昼寝程度」のリフレッシュ効果を最大限に引き出すものと覚えておきましょう。
アラームなどで時間を15分程度にセットするようにしておくと、「寝過ぎの予防」にもなります。
仮眠に適した体勢
仮眠を取るときの体勢はどのようにするのが効果的でしょうか?
机の上に伏せるのがいいのか、斜めに倒れるようなチェアがいいのか、普通に眠るように布団の上がいいのか。
実際に仮眠をする時には迷ってしまいますよね。
「睡眠を取る」という観点からすると、ベッドの上が一番良いのでしょうが、仮眠という観点から考えてみると、体を45度くらいに倒せるようなリクライニングチェアのようなものが効果的だと考えます。
机の上に伏せる体勢でも悪くはないですが、腕が痺れたりして逆に効果がない場合もあります。
会社の中で「仮眠」を取り入れようとする場合は、頭が支えられるものでリラックスできるものが良いと思います。
とはいっても、仮眠室が導入されていない企業はまだ少ないのが現状。普段の「仮眠」の場合はできるだけ頭を壁などもたれかかれる場所で仮眠を取るようにしましょう。
企業での取り組み
仕事の効率をあげるのに「睡眠」の大切さを認識し、早くから取り入れている企業も多数あります。
といっても社員数が多い大企業が目立ちますが、これからは中小企業にも普及していくと思います。
Google社の取り組み
世界的大企業のGoogle社は、「生産性にもっとも影響するパワーナップへの取り組み」として、社員の福利厚生のために昼寝を推奨しています。
Google社が社員向けに採用されている「EnergyPod」。半球型のバイザーをくるりと回して音と光を遮り、心地よい空間の中で仮眠を取ることができます。
株式会社ヒューゴ社の取り組み
引用:SankeiBIz
大阪にあるIT企業の株式会社ヒューゴ。インターネットのコンサンルティング会社です。ここはプログラミングなどの業務の中で、作業の効率が落ちるくらいなら、いっそのこと昼寝を取り入れようということで、社員同士で話し合って取り入れているようです。
昼寝の時間に電話がかかってくると、「ただいまシエスタ(昼寝)中です」と言われるらしい。
しかし、業務にデメリットを感じることはないようです。
GMO お昼寝スペースの取り組み
インターネット会社のGMOは社内に「GMO Siesta」というお昼寝スペースを設け、会議がない時間には会議室をお昼寝スペースにすることで、社内の生産性とクリエイティブに貢献することを期待されているようです。
別室に仮眠室を作ることもひとつですが、今あるスペースを有効活用することで、福利厚生に取り組んでいる事例です。
引用:GMO会社HPより
最終的には会社側が「するかしないか」
仮眠の効用は数字的にも学術的にも認められており、様々な企業が取り組みを進めていますが、最終的な取り組みは、その会社のトップもしくは、会社の方針に寄るところが多いのも事実です。
「わかってはいるけれど、今のところは導入の予定はない」と考える会社は、厳しい言い方ですが、おそらく月日が経っても導入しないでしょう。
福利厚生はいわゆる「従業員に対する投資」ひいては企業内投資にあたります。
「人は売上をあげるためだけ」と考えている会社は、福利厚生にまで目がいかないことが事実です。
しかし、「人材採用が困難」「新人がすぐに辞めていく」「経験値を積むところまでいかない」のが現代社会。
新たな人材に経費をかけるのもひとつ、今いる人材に対して効率をあげる方法もひとつだと思います。
「社員は財産だ!」と叫ぶ経営者の皆さん、目の前の社員のために、営業力をあげること以外に社員の「働き方に投資」できていますか?