厚労省「健康づくりのための睡眠指針」第8条

睡眠の知識

健康づくりのための睡眠指針

「健康づくりのための睡眠指針2014」は厚生労働省が発表した、良質な睡眠を得るためのロードマップです。

今回はその中から「第 8 条、勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。」

について解説します。

第 8 条.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

 日中の眠気が睡眠不足のサイン

画像:Pexels:Andrea Piacquadio

私たちは毎日働いています。労働時間を切り詰める代わりに多くの人が睡眠時間を削っています。

しかし、睡眠不足がもたらす生産性の低下により、日本は年間16兆円も損をしていると言われています。

私たちが睡眠と上手に向き合い、労働生産性の高いものにするには質の高い睡眠が必要です。

しかし、自分に適した「睡眠時間」はわかりにくいもの。
さらには「睡眠不足」かどうかはどうやってわかるのか?疑問に残るところかもしれません。

そんな時は「日中に眠気があるかどうか?」を確認してみましょう。

ぐっすり眠れている時は不必要な眠気はありません。しかし、睡眠不足の状態では眠気に襲われることになります。

自分自身の睡眠時間が足りているかどうかは「日中の眠気があるかどうか」をサインの一つに捉えるようにしましょう。

 

睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる


Clker-Free-Vector-ImagesによるPixabayからの画像

睡眠不足が続き、その不足分を休日に寝だめして取り戻している(と思っている)方は非常に多いのですが、実際には不足分の蓄積が「睡眠負債」になっているのです。

この睡眠負債は「静かに、しかし突然に」体に様々な影響をもたらします。

体内リズムの乱れや、生活習慣病になりやすかったりします。さらには心臓病、糖尿、高血圧のリスクにもなることがわかっています。

その結果、眠気に襲われながら仕事をしたり、うとうとしながら会議に出たりするなんてことに繋がることも。

睡眠不足は結果的に「仕事の能率や効率」さらには「生産性」を下げてしまうのです。

 

睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる


Rudy and Peter SkitteriansによるPixabayからの画像

睡眠不足が蓄積すると、体内の機能や代謝が正常に働かなくなります。

この結果、免疫力や認知能力、さらには身体的なパフォーマンスの低下にも影響を及ぼします。

このような影響が長く続くことは、それだけ睡眠不足を回復させるために必要な時間や努力が増え、そのぶん時間が必要になってきます。

 

さらに、睡眠不足が長期化すると慢性的な健康問題や、心理的、精神的にも問題を引き起こすことになってしまいます。

午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

画像:Pixabay

しかし、現実は睡眠不足を解消させるためにすぐに睡眠時間を増やすということはできません。

そのため、今の時間を有効に使う必要があります。

人には体温リズムがあります。体温は朝から昼にかけて上がり、夜に向けて下がるようになっています。

この体温の変化をうまく使いましょう。

そのためには午後1時から3時の間に15分程度の仮眠をするのです。

人は、脳や体を使えば使うほど睡眠欲求が高まります(睡眠圧と呼びます)。

昼間に仮眠をとることによって、午前中にヒートアップした脳と体を休めるようにしましょう。

この短い時間を「もったいない」と考えるのではなく「仮眠は脳と体を再起動させてくれる」と認識しましょう。

まとめ

今回は睡眠指針の第8条について解説しました。

人には24時間という平等に与えられた時間があります。

この限られた時間を有効に活用する方法のひとつとして「睡眠」に着目してみましょう。

睡眠中は意識がないのでないがしろにされがちですが、実はこの睡眠をうまく活用することが仕事の効率アップ、生産性の向上に繋がるのです。